日本では、WooCommerce(ウーコマース)と言われても何のことかよくわからない方のほうが、圧倒的だと思いますが、アメリカでは、ネット通販サイトで、このWooCommerceが使われるケースが増えてきているようです。
上のグラフは、WooCommerceのライバル的なポジションにいるネットショップに特化したCMSのMagentoとZen Cartの検索数を比較したものです。
爆発的な増え方はしていませんが、ここ最近では、もっとも検索されているキーワードが「WooCommerce」になっています。
個人的には、このジワジワ増えていっていることが、一過性のブームとか、カリスマ性の高い人物が流行らせたりした結果ではないことを物語っているようで、本当にWooCommerceの実力が評価されての結果のように思えます。
では、WooCommerceとは、一体どんなもので、私たち日本人にとっては、使い勝手は良いのかどうかを見ていきましょう。
WooCommerceって何?
WooCommerceは、先ほど出てきた、MagentoやZen Cartのように単体で動くCMSとは、少し性質が異なっていて、WooCommerceは、WordPressのプラグインとして稼働します。
なので、WooCommerceを使う前に、まずWordPressをインストールしておく必要があります。
最近では、WordPressを使っているユーザーも多いので、同じ管理画面を使えることは便利です。また、全く違ったシステムの操作を一から覚えるの比べれば、慣れるのにも、そう時間はかからないでしょう。
多機能でどんなネットショップにも対応可能
利用者が増えている大きな理由は、ここにあるのだろうと思いますが、WooCommerceは、多機能すぎてできないことを探すのが難しいくらいです。
買い物カゴの機能では、アップセルやクロスセルの設定も普通にできますし、時間帯を指定してセール価格で販売するのも簡単に設定できてしまいます。
デジタル製品のダウンロード販売では、決済完了後にお客さんへダウンロードページへのアクセス権を与え、さらに、ダウンロードができる回数や有効期限もあらかじめ設定しておけば、ほったらかしておいても、WooCommerceが勝手にやってくれます。
かなり前になりますが、とあるクライアントさんにZen Cartで、ショッピングサイトを構築したことがあります。今では年商1億円近くまでに、大成長しましたが、残念ながらZen Cartには、今述べたような気の利いた機能は搭載されていません。
この他にも、WooCommerceには、送料や支払い方法の設定、日本国内のみの販売ではあまり関係ありませんが、税金の詳細な設定が可能になっています。
かなり細かいところまで、設定ができてしまうので、そのぶん管理画面の設定項目が多すぎて、初心者だと混乱しそうなのが、デメリットと言えるかもしれません。
WooCommerceは、無料で使えるツール
WooCommerceは、WordPressやその他のCMSと同じように無料で使えます。
ただ、一部のプラグイン(WooCommerceの機能を強化するためのプラグイン)では、有料のものもありますが、高くても2万円くらいと、イーコマースサイトを構築する費用としては、非常にリーズナブルではないかと思います。
高いセキュリティ
オンラインショップでは、お客さまの個人情報を大量に扱うので、セキュリティ対策には、敏感になります。
WooCommerceは、Sucuriというセキュリティ対策では、名の通った企業の監査を受けています。WordPressのプラグインの中には、セキュリティの脆弱性が見つかって、そこを突かれてトラブルになることが、しばしばありますが、WooCommerceに関しては、セキュリティのレベルは、かなり高い方だと言えるでしょう。
WooCommerceでショッピングサイトを運営している有名な企業
最後に、WooCommerceを使ってショッピングサイトを運営している企業をいくつかあげておきましょう。
残念ながら、日本のサイトは今のところないので、海外の事例だけになってしまいます。
ALL BLACKS SHOP
ラグビーのニュージーランド代表チーム オールブラックスの公式オンラインショップは、WooCommerceで運営されています。
製品をいろんな角度から確認できたり、サイズを簡単に選べるといった機能は、今じゃ当たり前ですが、詳細な情報へのアクセスが、写真の下のタブから簡単に切り替えて表示できたり、使い勝手の良さではAmazonを超えているんじゃないでしょうか?
CAMSS
軍隊向けのテント(というより簡易シェルター)をネットで販売しています。
こういう商品は、ネットでは売りにくいと思いますが、製品の写真に何個も目印がついていて、マウスポインタを当てると、その部分の詳細な説明が写真付きで表示されるようになっています。
商品が特殊なので、カートに入れて、注文完了という流れにはしないで、コンタクトをとる方式ですが、画面を移動せずに、問い合わせフォームが開くなど、工夫凝らされています。
こういったショップに合わせた自由なカスタマイズが可能なことも、WooCommerceのシェが伸びている理由なんでしょう。